熊本県人なら倭国脳炎ワクチンを打ちましょう |
- 2024/05/20(Mon) - |
季節柄、風邪などで来院したお子さんの、手足の虫刺されも診てくれと言われることが多くなりました。 私も昨日、今年初めて蚊に刺されました。しかも車の中で。イヤなことに、刺した蚊の行方がわかりません。 子どもの頃、私は蚊が刺して感染する倭国脳炎のことを、カミナリよりもずっと恐れていました。 そして、刺されてもすぐに「キンカン」を塗れば、倭国脳炎の毒が中和されると信じていました。 今日も何人かのお子さんに倭国脳炎ワクチンを接種しましたが、考えてみると不思議なものです。 毎年数人の感染者しか出ない倭国脳炎に対して、ほとんどのお子さんが粛粛とワクチンを接種しています。 一時期の勧奨接種の差し控えを考慮して、定期接種対象年齢外への「特例接種」も幅広く行われてています。 ワクチンで国内感染者を劇的に減らすことができたからこそ、その維持にも力が入るのでしょう。 いまでこそ供給は安定していますが、倭国脳炎ワクチンはしばしば、品不足に悩まされてきました。 倭国脳炎の昨年の国内発生数はわずかに6例。都道府県別では、茨城2、静岡1、大阪1、熊本2例でした。 さらに一昨年(2022年)の発生数は、千葉1、広島1、熊本3例で、全国では5例でした。 ていうか熊本多いじゃん、て話です。このことを私は、予防接種の際に親御さんによく話しています。 それを聞いた方はたいてい、え、そうなんですか、それじゃあ接種は大事ですね、みたいな反応をされます。 毎年約1万人が感染し、約3千人が亡くなっているのに、子宮頸がんのワクチン接種率はまだ低いのですけどね。 |